4 廃棄物・リサイクル対策などの物質循環に係る施策

 日本では、平成2年度以降、毎年年間約5,000万トン以上の一般廃棄物が排出されており、ここ数年横ばいの傾向が続いています。平成14年度は、一般廃棄物のうち、78.4%が直接焼却され、17.3%が資源化等されました。最終処分量は903万トンで前年に比べ92万トン減少しました。

グラフ ごみ総排出量と1人1日当たりのごみ排出量の推移


 産業廃棄物の総排出量についても、ここ数年横ばい傾向で、平成14年度は約3億9,300万トンと前年度に比べ約1.8%減少し、最終処分量は約4,000万トンと前年度より約200万トン減少していますが、最終処分場の残余年数については、平成15年4月時点で全国平均4.5年とひっ迫した状況にあります。

グラフ 産業廃棄物排出量の推移


 こうした問題の解決のため、循環型社会形成推進基本法に示されているように、第一に廃棄物等の発生抑制、第二に使用済製品・部品等の再使用、第三に原材料としての再生利用、第四に熱回収、最後に適正な処分を行う、という優先順位を念頭に置き、廃棄物・リサイクル対策を進めていくことが求められています。このような基本的考え方の下、廃棄物処理法や各種リサイクル法を着実に施行しています。
 また、全国の産業廃棄物の不法投棄の状況については、平成15年度の投棄件数は894件で前年度に引き続き減少しました。一方、投棄量は、16年3月に発覚した岐阜市における約56.7万tの事案を含め全体で約74.5万tとなり、5年度の調査開始以来最大となりました。

グラフ 不法投棄件数及び投棄量の推移


 これらの課題に対応するため、平成16年には、国の役割の強化による不適正処理事案の解決、廃棄物処理施設を巡る問題の解決、指定有害廃棄物(硫酸ピッチ)の不適正処理に対する罰則や不法投棄等の罪を犯す目的で廃棄物の収集又は運搬をした者に対する罰則の創設等を内容とする廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律が成立し、17年4月までに順次施行されました。同年3月には、大規模不法投棄、無確認輸出等廃棄物の不適正処理に対する対応を強化するとともに、より適切な事務処理体制を確立するため、保健所設置市に係る事務の見直し、産業廃棄物管理票制度の強化、無確認輸出に関する罰則の強化等の措置を講ずることを内容とする「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」を第162回国会に提出しました。


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