第2節 家庭から創る


 今日の環境問題の多くが私たちの日常生活や事業活動に起因していることから、日常生活の場である家庭における環境負荷低減の取組は極めて重要です。家庭におけるエネルギー消費は、世帯数の増加や家電製品の普及に伴い年々増加しています。家庭におけるエネルギー消費に起因する二酸化炭素の排出量は、日本全体のエネルギー消費に起因する二酸化炭素排出量の約14%を占め、その量は、京都議定書の基準年である平成2年度(1990年度)から約3割も増加しており、他の部門と比較しても顕著な伸び率を示しています。

グラフ 二酸化炭素排出量の部門別内訳


 持続可能な社会を築く「人づくり」を進めていくためには、家庭は大きな役割を担っています。家庭における取組には、ちょっとした心がけ次第で大きな効果を生むものや、少し視点を変えることで「質の高い生活を送ること」「生活を楽しむこと」と方向性が重なるものがたくさんあります。また、家庭における「しつけ」の中にも「電気はこまめに消す」「歯を磨くときに水道を出しっぱなしにしない」「物を大切に使う」といった「もったいない」の心を育てるものは多く、家庭は「人づくり」の原点ということができます。

図 家庭で簡単にできる主な取組


 各家庭における環境負荷の削減に向けた取組を積み重ね、習慣づけることにより、学校や企業などの家庭外で学んだことを日々の暮らしに生かすことができ、また、家庭において学んだ生活の知恵を学校や企業などの家庭外での行動に生かしていくことができます。家庭における一つひとつの行動が、家族一人ひとりを通じて各主体へ広がっていくことが期待されます。

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