第2節 温暖化が何をもたらすのか


 平成13年に公表された、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第3次評価報告書によれば、20世紀の100年間に、世界の平均気温は約0.6℃、平均海水面が10~20cmそれぞれ上昇し、北半球の中高緯度では大雨の頻度が増加した可能性が高いことなど、さまざまな気候の変化が観測されています。
 また、同報告書では、地球温暖化の影響による気温の上昇が少ない段階では、一部の地域や分野に好影響をもたらす可能性があるものの、気温の上昇とともにリスクが増加することが示されました。

表 近年観測された変化


 日本では20世紀中に平均気温は約1℃上昇しました。また、近年、一部の高山植物の生息域の減少、昆虫や動物の生息域の変化、桜の開花日やカエデの紅葉日の変化など、生態系の分布に変化が現れており、豪雨の発生頻度の増加なども観測されています。このような気象や生態系の変化の原因の一つとして地球温暖化が指摘されています。しかし、今のところ、これまで起きている具体的な事象と、人の活動が原因で起こる気候変動との因果関係についての科学的根拠は十分に確立されておらず、今後のさらなる研究の進展が期待されます。

表 地球温暖化に伴うさまざまな影響の予測



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