3 廃棄物事犯の取締り
昭和62年中に「廃棄物処理法」違反で検挙した3,980件の態様別検挙状況は、第6-2-3表のとおりであり、その内訳は不法投棄事件が2,955件と全体の約74.2%を占め、次いで委託基準違反、無許可処理業の順となっている。
内容的には、折からの建設ブームを反映し、建設工事に伴って生じる建設廃材や木くずなどの建設系廃棄物の不法処分事犯が多発するとともに、個々の事件の大型化が顕著であった。
また、他人の土地に大量の建設廃材等を不法投棄して地主を困らせていたもの、廃油を大量に不法投棄して国立公園内の松を多数枯らしたもの、廃材等の焼却により付近住民に多大な迷惑を及ぼしていたもの、度重なる行政指導を無視して不法行為を継続していたものなど依然として「環境破壊を利益の手段とする」悪質な事犯が目立っている。
事例 建材廃材のみの処分許可を有する廃棄物処理業者は、近郊に木くずの処分場がないことに目を付け、「何でも安く受け入れる」と宣伝し、40数回に及ぶ行政指導を無視して、約1年間で600の建設業者等から約28万トンの建設系廃棄物を受け入れ、さらに、木くずを製紙工場に転売して二重にもうけるなど暴利を得ていた。7月4日主犯者2名を逮捕したほか、違法を承知で建設系廃棄物の処分を委託していた建設業者など、101法人180名を検挙し送致した(北海道)。