2 水質汚濁事犯の取締り
水質汚濁事犯は、「水質汚濁防止法」、「下水道法」、「廃棄物処理法」等を適用して検挙している。
このうち、河川等の公共用水域等を直接汚染する排水・排除基準違反の検挙件数は107件であり、その内訳は「水質汚濁防止法」の排水基準違反が101件、「下水道法」の排除基準違反が6件となっている。
排水・排除基準違反の内容をみると、必要な汚水処理施設を設置しないもの、増産により排水量が増加したにもかかわらず、処理能力の小さい既存の汚水処理施設を使用して、処理不十分な排水を排出していたもの、隠し排水口を設けて未処理排水をストレートに排出していたもの、夜間、早朝等に人目を避けて汚水を排出していたもの、再三の行政指導を無視して違反行為を継続していたものなど「利益に直結しない公害防止設備に金をかけたくない」という企業の意識がうかがえる「故意排出」が大半を占めた。
事例 航空機器の部品製造会社は、経費節減のため、メッキ加工工程から生じる有害物質の「カドミウム」、「シアン」、「六価クロム」等を含有する廃水を未処理のまま長期間にわたり垂れ流していたが、その違反濃度はカドミウムが基準の540倍、六価クロムが63倍、シアンが3倍と基準を大幅に上回っており、地域の環境を著しく汚染していた。4月10日この業者を検挙し、1法人2名を送致した(兵庫)。