前のページ 次のページ

第1節 

2 公害苦情の処理状況

(1) 公害苦情相談制度
 公害に関する苦情は、地域住民の生活に密接した問題であり、その適切な処理は、住民の生活環境を保全するためにも、また、将来の公害紛争の未然防止のためにも極めて重要である。
 このような観点から、「公害紛争処理法」においては、地方公共団体は、関係行政機関と協力して公害に関する苦情の適切な処理に努めるべきものとされている。このため、都道府県及び市区町村は公害苦情相談員を置くことができることとされている。
 公害等調整委員会は、地方公共団体が行う公害苦情の適切な処理のための指導、情報の提供を行っている。
(2) 公害苦情の現状及び処理状況
 61年度に全国の地方公共団体が受け付けた公害苦情件数は、6万5,467件で60年度に比べ917件、1.4%の増加となった。
 典型七公害を種類別にみるともっとも多いのが騒音の1万9,077件(全苦情の29.1%)、次いで悪臭の1万2,249件(同18.7%)、大気汚染の8,851件(同13.5%)等が主なものであり、一方、典型七公害以外の苦情(空地の管理、廃棄物等に関する苦情)は、1万5,338件(同23.4%)となっている(第1部第1-1-11図)。
 典型七公害について被害の種類別にみると、感覚的・心理的被害が4万1,770件(典型七公害苦情の83.3%)と最も多く、次いで健康被害が2,669件(同5.3%)、財産被害が2,651件(同5.3%)等の順となっている。(第6-1-2図)。
 なお、61年度は、新規受付のほか、前年度からの繰り越し及び他機関からの移送を含め7万5,490件が係属し、このうち6万3,377件が同年度中に処理された。

前のページ 次のページ