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第6節 

2 化学物質の環境調査の結果について

 61年度に発表された60年度化学物質環境調査において調査対象とした物質は66物質であり、その調査結果は次のとおりである。
(1) 一般環境調査
 一般環境調査は、環境残留性が高いと予想される化学物質として抽出され、前年度に分析法が開発された物質について、水質及び底質を対象に、1物質につき全国約10地区で環境汚染の実態調査を行うものである。
 60年度においては、52物質について一般環境調査を行ったところ、水質又は底質から15物質が検出された(第1-6-3表)。このうち10物質(安息香酸、p-t-プチル安息香酸、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン類、スチレン、イソプロピルベンゼン)については、その残留状況等から61年度更に詳しい調査(精密環境調査)を行う必要があると判断された。


(2) 精密環境調査
 精密環境調査は、前年度の一般環境調査結果から、更に詳しい調査を行う必要があると判断された数物質について、水質、底質及び魚介類を対象に、全国約50地区で環境汚染の実態調査を行うものである。
 昭和60年度においては、8物質について精密環境調査を行った(うち、ナフチルアミン類2物質については底質のみの精密環境調査を実施)。その結果、残留状況等からジメチルナフタレン類については、一定期間をおいて再度その環境残留性を調査し、汚染状況の推移を把握することが望ましいと判断された(第1-6-4表)。

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