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第6節 

2 国際機関への参加、協力

 我が国はUNEP、OECD、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)等の国際機関の場を通じて環境分野の国際協力に積極的に取り組んでいる。
 OECDでは、59年6月に「環境と経済」に関する国際会議が、パリで開催された。この会議には、OECD諸国で環境政策を担当している閣僚、行政官のほか産業界、労働組合、非政府機関の代表や学識経験者が多数参加し、?今後10年程度の将来を見通して、OECD諸国の経済情勢の変化が環境に及ぼす影響 ?環境政策によってもたらされるプラスの効果、環境政策と経済成長、投資、雇用、物価、技術革新、貿易との関係 ?より一層効果的な環境政策を推進するための方法として、「予見的、予防的」政策の展開、経済的手段の活用等について討議を行い、結論をとりまとめた。この討議の結果は、60年6月に開催予定の第3回環境大臣会議に反映されることとなっている。
 ESCAPでは、60年2月にアジア環境大臣会議がバンコクで開催され、アジアの環境の状況を踏まえ、環境上健全で持続しうる開発等を目的とした「アジア環境の管理に関する宣言及び行動企画の枠組み」が採択された。
 自由世界第2位の経済力を有する我が国は、資金的な面でも国際機関の活動への積極的協力が求められている。これに応じて我が国は、UNEPの管理理事会の理事国として国連が進めている環境分野での活動に貢献してきており、59年度は環境基金に対して各国からの拠出誓約総額の約14%を拠出している。これは米国の約35%に次いで世界第2位である(第3-6-1図)。
 我が国の経済力や環境分野での経験と知見等に照らし、環境分野での国際的な貢献への期待も高まっている。今後とも我が国はUNEPやOECD等の国際機関の活動に積極的に協力していく必要がある。ロンドン経済サミットの経済宣言を受けて開催された環境大臣会議の場でも、サミット参加国がOECDを中心とした国際機関の活動に積極的に協力していく必要性が確認されている。
 また、国立公害研究所は、UNEPの国際環境情報源照会システム(INFOTERRA)の我が国の窓口として、従来から国際的な協力を行ってきている。
 また、民間団体として全地球的な自然環境の保全に努めている国際自然保護連盟(IUCN)には、現在116ヵ国から500余の政府機関、非政府団体等が加盟しており、環境庁も53年に政府機関メンバーとして加盟し、情報交換等を行っている。さらに、野生動物の保護に努めている世界野生生物基金には26ヵ国が加盟しているが、日本委員会も46年に設立され、各種募金活動、啓蒙活動などを行っている。

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