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第2節 

2 生活排水問題

 生活水準の向上と生活様式の多様化は、生活用水使用量の需要の増加をもたらし、使用後の生活系排水の増大をもたらしている。たとえば、千葉県の推計によれば、周辺地域の都市化が著しい印旙沼流域での生活系のCOD排出汚濁負荷量は、55年度において、7,255kg/日となっており、これは全汚濁負荷量のうち69.3%を占めている。
 生活雑排水は、現在約3割が下水道へ放流され、されに若干宅地内吸収等の処分がされる以外は河川や側溝等へ無処理のまま放流され、公共用水域の汚濁の主要な原因の一つとなっているのが現状である。
 生活雑排水の処理システムの概要は、第2-2-4図に掲げるとおりである。生活雑排水は下水道の整備等により適正な処理を行なうべきであるが、一般家庭においても、食物残滓の適正処分や無りん洗剤の使用等の発生源での汚染を減らすことも重要となってきている。

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