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第4節 

2 国際機関の活動への積極的協力

 環境問題の解決のためには、まず、各国が国内の環境政策を着実に推進することが期待される。しかし、各国が十分な努力を行ったとしても、その積み重ねだけでは解決できない問題も生じている。このため、各国はUNEPや経済協力開発機構(OECD)等の場を通じて相互に意見の交流を図るなど環境分野の国際協力に積極的に取り組んでいる。我が国もUNEPの管理理事会の理事国として国連が進めている環境分野での活動に貢献してきており、環境基金に対して各国からの拠出総額の10%以上を拠出している(第3-4-1表)。
 また、OECDの環境委員会及びその下部機構として、個々の具体的問題の解決を図るため、部門別に設定されている各グループの活動に対しても積極的に参加し、協力している。
 例えば、化学品グループについては、57年11月ハイレベル会合が開催されている。同会合で確認された主要分野の一つは現在世界にある化学品の評価における国際協力の必要性についてである。現在、世界には数万種の化学品が存在しているが、同会合では、このような化学品の性質等を判断する上で助けとなる一連のガイドラインを推進することを承認している。このガイドラインは、人と環境の保護をより首尾一貫させ、国際的に取り引きされる化学品の試験と評価に伴う費用を減少させることにも役立つものとみられている。
 OECDは、このような化学品グループの活動を含め、大気、水質、エネルギー、廃棄物などに関する多くの環境問題について、活発に活動を進めているが、我が国もこうした活動に対し、これまでの環境保全に関する努力の上に立ち、加盟国間の意見の交流に努めているところである。
 環境問題は現在も国際的に広がっており、こうした分野での協力はますます重要になってくると思われる。また、我が国の経済力や過去の環境政策の経験等に照らし、環境分野での国際的な貢献への期待も高まっており、今後我が国としてもUNEPやOECD等の国際機関の活動に積極的に協力していく必要がある。

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