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第3節 二国間協力の推進

(1) 日米環境保護協力協定に基づく活動
? 日米合同企画調整委員会
 50年8月に「環境の保護の分野における協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(日米環境保護協力協定)が締結されて以来、同協定に基づき、広範な環境問題を討議するため、原則として年1回我が国及びアメリカ合衆国において交互に合同企画調整委員会を開催している。同協定の有効期間は発効後5年間となっていたが、引き続きこの分野での協力を推進するため、55年8月に更に5年間延長された。
? 下部プロジェクトの活動
 日米環境保護協力協定に基づく専門分野の活動としては、現在14のプロジェクトが設置され、各専門分野ごとの情報交換、会議の開催、専門家の交流等が進められている。55年度における主要な活動としては、第1回自動車公害対策プロジェクト会合(55年6月東京にて開催)第7回下水道処理技術委員会(55年5月東京にて開催)第6回有害底質の処理処分に関する日米専門家会議(56年2月東京で開催) 第6回大気汚染気象委員会(56年2月ワシントンで開催)第1〜第3回食品化学プロジェクト会合(第1回と第2回の会合はそれぞれ55年6月と11月に東京で、第3回会合は56年3月ワシントンで開催)が挙げられるほか、各専門分野のプロジェクト毎に情報交換等の協力活動が行われた。
(2) 日独科学技術協力協定に基づく活動
 49年に締結された日独科学技術協力協定に基づいて55年10月に、第6回日独科学技術合同委員会がボンで開催された。
 この委員会の下部機構である環境保護技術パネルも同委員会終了後ボンで開催され、?環境保護技術分野における両国の研究開発の一般的動向、?既存の6つの協力テーマに関する研究開発の現状と協力実施状況及び?新規協力テーマ及び協力課題の選択に関する意見及び情報の交換が行われ、新規の協力テーマとして、「化学物質の生物分解性に関する分野」及び「大気環境測定用リモートセンサー開発に関する分野」、既存協力テーマ中の新規協力課題として、「閉鎖性海域における富栄養化に関する研究」を追加する等、今後の活動の強化が合意された。
(3) その他の国際会議
 天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)のプロジェクトの1つである保全・レクリエーション・公園専門部会の第12回総会が、55年11月にワシントンにおいて開催された。同部会の下には、更に、?国立公園及びその他の自然公園、?野生動物の保護、?森林の計画及び管理、?都市公園とその他の都市問題の4分科会があり、55年度には「森林の計画及び管理」分科会が日本で開催され、米国から専門家が出席し、技術的な個別問題を討議した。
(4) 日中渡り鳥等保護協定の締結
 日本と中国との間で渡り鳥等の保護に関する協力を推進するため、「渡り鳥及びその生息環境の保護に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」について日中両国政府間の交渉を進めてきたが、56年3月3日署名が行われ、承認を求めるべく第94回国会に本協定を提出している。
 なお、本協定で保護の対象とされる渡り鳥は227種となっている。
(5) その他
 55年4月には、韓国の環境庁(55年1月新設)の庁長等が来日し、我が国の環境保全施設等について調査を行った。
 また5月には、フランスから日仏科学技術協力協定に基づく協力の一環として、我が国の大気、水汚染問題を研究するための調査団が来日する等の動きがあり我が国の環境保全対策に対して国際的な関心が高まっていることがうかがわれる。

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