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第2節 

4 廃棄物事犯の取締り

 第7-2-2表でみたとおり、全公害事犯5,456件のうち「廃棄物処理法」違反は4,542件(80.7%)を占めており、その態様別内訳をみると、第7-2-7表のとおりである。
 廃棄物(一般廃棄物及び産業廃棄物の両者を含む。)の不法投棄事犯は、3,331件(73.3%)と同法違反の大部分を占めている。他方、排出源事業者が産業廃棄物の運搬、処分を処理業者に委託するに当たっての基準違反は786件であるが、これは前年の782件に比べて4件の増加となっている。
 不法処分(無許可の最終処分又は不法投棄をいう。) された産業廃棄物の総量は、約35万1,200トンである。
 その態様別内訳をみると、第7-2-8表のとおりで、建設廃材が大部分を占め、以下汚でい、家畜ふん尿の順となっている。
 産業廃棄物の不法処分の量を場所別にみると、第7-2-9表のとおりで、総量の50%近くは山林、原野において処分されている。
 排出源所在地と不法処分地との場所的関係は、第7-2-10表のとおりである。
 産業廃棄物の不法処分地のうち、同一場所でおおむね10トン以上の処分が行われた場所307箇所について検挙後の原状回復の状況をみると、第7-2-11表のとおりで、90%近くの不法処分地で何らかの回復措置が講じられている。
 なお、上記307箇所のうち167箇所(54.4%)は、警察の指導に基づいて原状回復措置が講じられている。
 次に、産業廃棄物不法投棄事犯の原因、動機を投機者の類型別に見ると、第7-2-12表のとおりである。
 不法投棄事犯の80%強は、公害防止について本来強い自覚を持つべき排出源事業者によって行われており、その原因、動機は「処理費節減のため」が45.2%を占め、一部の排出源事業者の公害防止意識の低さが指摘される。
 産業廃棄物処理業者による不法投棄は19.2%であるが、許可業者によるものは3.7%と比較的少ない。一方、無許可業者による不法投棄は15.5%になるが「最初から営利目的で」を原因、動機とするものが、9.1%(無許可業者による不法投棄の59%を占めており、今後、これらの悪質な無許可業者の一掃が望まれる。

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