前のページ 次のページ

第3節 

2 化学物質の環境調査の結果について

 昭和55年度に発表された54年度化学物質調査において調査対象とした物質は、50物質であり、一般環境調査、精密環境調査、大気調査の3種類の調査により環境中の濃度レベルを測定したが、調査結果は次のとおりである。
(1) 一般環境調査
 分析法については、更に検討を要するが、水質・底質を対象に、1物質当たり2〜3地域で初めて調査を行う物質を対象とした一般環境調査では、調査対象31物質のうち、エチレンジアミン四酢酸、有機シリコン化合物及び塩素化パラフィンの3物質がそれぞれ底質から検出された(第1-3-3表)。これらのうち、有機シリコン化合物及び塩素化パラフィンについては、更に分析法の検討を行い、昭和55年度に精密環境調査を実施している。


(2) 精密環境調査
 昭和53年度までの一般環境調査の結果、注意を要すると考えられる物質等を対象とした精密環境調査では、調査対象8物質のうち、1、2、3-トリクロロベンゼンが水質及び底質から、1、2、4-トリクロロベンゼン及び1、3、5-トリクロロベンゼンが水質、底質及び魚から、ペンタクロロベンゼンが低質及び魚から、またα―ナフチルアミンが底質から検出された(第1-3-4表)。これらの検出レベルは、現時点の知見においては、ただちに問題とするべきものであるとは考えられないが、今後とも引き続き影響面の知見の充実が必要と考えられる。


(3) 大気調査
 揮発性のハロカ―ボン類の物質について、都市郡と山間部に調査地区を選定して行った大気調査では、塩素化メタン類、塩素化エタン類、及び、塩素化エチレン類が検出された。

前のページ 次のページ