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第3節 

2 環境影響評価の定着化の背景と今後の課題

(1) このように環境影響評価の制度等の体制の整備への努力がなされるようになった主な背景としては、環境汚染の未然防止を図ることの重要性が広く国民に認識されるとともに、事業を円滑に推進するためにも、事前に環境保全に十分配慮し、地元の理解等を得ていくことが必要であると考えられるようになったことが挙げられる。
 そして、52年11月に閣議決定した第三次全国総合開発計画において「この計画に基づき実施される事業については、その具体化に当たって、住民の意向を反映するとともに、適切な環境影響評価等を実施することとし、環境影響評価の技術手法の開発を促進するとともに、効果的な環境影響評価を実施するための制度等の体制の整備を図る必要がある。」と述べ、更に53年12月に策定された中部圏基本開発整備計画等の地方開発促進計画においても同様の内容をうたっている。
(2) 今後の課題は、上記の計画のなかでも述べているように、環境影響評価の技術手法を一層向上させること、効果的な環境影響評価を実施するための制度等の体制を整備することであるといえよう。
 まず、技術手法に関しては、その時点において得られている科学的知見に基づき、可能な限り客観的な調査、予測及び評価を行うということが基本的な考え方であり、今後とも科学的知見の蓄積をもとに不断に見直していくことが必要である。
 次に、制度面では、環境影響評価制度のあり方について、50年12月以来中央公害対策審議会環境影響評価部会において3年有余鋭意調査審議された結果、この程、環境庁長官に対し、答申がなされた。
 環境影響評価制度のあり方については、種々の議論があり、我が国の実情やこれまでの経過を踏まえ、今後とも効果的な環境影響評価を実施するための制度等の体制の整備を図るべく鋭意検討を進める必要がある。

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