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第1節 

2 環境保全に関するその他の調査研究

(1) 環境汚染メカニズムの解明等
 環境庁においては、公害防止等調査研究費により、環境庁所管行政の推進に当たって必要な環境基準及び規制基準の設定に資するための調査研究並びに環境汚染による健康影響、各種汚染物質の測定技術、環境汚染メカニズムの解明等についての調査研究を進めているが、53年度においては、大気汚染計測について、測定値の地域代表性に関する調査研究、非特定汚染源による大気汚染の防止に関する調査を実施するとともに、公共用水域における有機汚濁現象の解明に関する調査、埋立廃棄物の土壌化促進に関する調査を新たに実施することとしている。また、ばいじん等浮遊粒子状物質の挙動に関する調査、低周波による空気振動等の実態調査、瀬戸内海における生物指標の調査、農薬変化生成物に関する調査研究等を前年度に引き続き実施することとしている。
 自然環境の保全に関しては、52年度に引き続き、生態学的な観点から植生及び野生動物等の保全に関する研究を行うとともに、自然公園の管理計画のために必要な基礎的研究を行う。更に、53年度には新規に諸外国における地域社会の自然利用等野外レクリエーション施設に関する調査研究を実施することとしている。
(2) 公害防止及び環境保全技術の開発等
 通商産業省においては、重要技術研究開発費補助金により民間企業等の行う重要な技術の研究開発に対して助成を行っているが、53年度は前年度に引き続き、大気汚染防止技術、水質汚濁防止技術、廃棄物処理技術等の環境保全対策技術研究課題に助成するほか、特定の固定設備から発生する窒素酸化物対策技術、重金属等有害物質の処理技術、排煙脱硫石こう対策技術等の研究開発に対して助成を行うこととしている。また、同省においては、大型工業技術研究開発制度(通称、大型プロジェクト制度)等により、先導的かつ大型の技術の研究開発を行っているが、このうち公害防止関係として、大型プロジェクト制度により高温還元ガス利用による直接製鉄、自動車総合管制技術、重質油を原料とするオレフィンの製造法、航空機用ジェットエンジン、資源再生利用技術システムについて引き続き研究開発を行うとともに、従来大型プロジェクト制度等で研究開発を行ってきた電磁流体(MHD)発電、廃熱利用技術システムについては、新たに53年度に省エネルギー技術研究開発制度を創設し、同制度に移し替えて研究開発を継続する。
 農林省においては、都道府県農業関係試験研究機関の行う光化学スモッグによる農作物被害対策試験について前年度に引き続き助成を行うこととしている。運輸省においては、52年度に引き続き東京湾、伊勢湾、大阪湾及び瀬戸内海を対象に海水汚染機構、海底に堆積する汚泥の除去効果等をは握するため現地調査、模型実験等を実施することとしている。また、建設省においては建設工事に伴う騒音、振動、水質汚濁等を軽減するための研究として建設工事改善技術の開発を前年度に引き続き実施する。

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