2 公害防止等調査研究費による調査研究
環境庁においては、公害防止等調査研究費により環境庁所管行政の推進上特に重要な課題につき、次のような調査研究を実施した。
ア 環境汚染に係る健康影響は第5章第2節153/sb2.5.2>で述べたとおり、水俣病、イタイイタイ病、大気汚染による疾病、休廃止鉱山の廃水等に起因する疾病等について、それぞれ専門家による研究班を組織し、環境汚染と健康影響について総合的な観点から引き続き研究を進めた。
また、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」に基づき、化学物質の環境中での挙動を評価するため、その分解性・蓄積性に関する基礎資料を得るため、化学物質の分解、濃縮及び蓄積メカニズムについて研究を引続き実施した。
イ 大気汚染及び水質汚濁に関しては、環境基準及び規制基準の設定の基礎とするため、汚染物質の環境への影響、測定方法の検討、汚染予測手法の開発等各種の調査研究を行っているが、52年度においては、エーロゾル環境大気汚染実態等調査、廃棄物の生物毒性試験の研究開発等を新たに実施した。
ウ 自然環境保全に関しては、自然生態系の保護を図るという観点から、野生動物の現存量のは握、地熱発電等の自然生態系に与える影響等の調査を実施するとともに、二次植生地域の保全施策を検討するための調査を行った。
更に、52年度から自然公園における法面緑化基準に関する研究及び野生鳥獣の保護に伴う被害問題に関する研究を新たに実施した。
また、前年度に引き続き自然公園策定段階における社会経済的影響予測手法に関する研究、野生鳥類の異常死の究明等に関する調査研究を行った。