3 騒音、振動、悪臭及び地盤沈下に関する研究

(1)　騒音、振動
ア　騒音防止を図るため、通商産業省においては、しゃ音へいによる防音効果を解析し、設計基準を明らかにした。また、科学技術庁においては、航空機用ジェットエンジンの騒音低減のため、特定の周波数領域で吸音効果の良い吸音パネルを試作し、その騒音低減効果を解析した。
イ　騒音の人体影響については、通商産業省においてコンピューターによる迅速な騒音、心理計測システムを開発するため、心理量の予備的な測定を行った。
ウ　振動の防止技術開発については、通商産業省において、機械振動の野外地盤における波動の伝ぱを測定し、地面振動の伝ぱしゃ断対策の基礎資料を得た。また、公害用振動計校正のための基準振動台の第1次試作を行った。
(2)　悪　臭
　悪臭防止技術開発については、通商産業省において、アミン類及びメルカプタン類を対象に高分子フィルムを重ね合わせた悪臭除去モジュールを試作し、悪臭成分を含む空気の温度、悪臭成分濃度等と除去性能との関連を明らかにし、また、流動層燃焼方式による悪臭除去装置を水産加工工場に設置し、悪臭成分の除去率、運転条件及び脱臭経費について検討した。
(3)　地　盤　沈　下
　農地の地盤沈下機構を解明するため、農林省においては、加圧透水試験装置を用いて、低動水勾配の領域における地下水流について引き続き基礎実験を行った。また、建設省においては、中京圏の人口密集地域であり、近年地盤沈下現象が著しい濃尾平野をケーススタディとして地盤沈下のシミュレーションを実施した。