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第1節 

5 イタイイタイ病

(1) 沿革
 富山県神通川流域に発生したイタイイタイ病に関する経緯は、次のとおりである。
 30年 第17回臨床外科医学会において原因不明の奇病の存在する旨の報告
 34〜35年 イタイイタイ病をカドミウム慢性中毒症とする説の発表
 36年12月 富山県において地方特殊病対策委員会の設置
 38年6月 厚生省においてイタイイタイ病研究委員会の設置、文部省において、イタイイタイ病研究班を組織
 41年 厚生省の委託によるイタイイタイ病の原因に関する研究の実施
 43年1月 富山県イタイイタイ病及び疑似患者等に関する特別措置要綱による対策の実施5月イタイイタイ病は、カドミウムの慢性中毒によりまず腎臓障害を生じ、次いで     骨軟化症を来し、これに妊娠、授乳、内分泌の変調、老化及び栄養としてのカルシウム等の不足などが誘因となって生じたもので、その原因としては三井金     属鉱業株式会社神岡鉱業所の排水以外には見当たらないという厚生省見解の発表
 44年12月 救済法による地域指定
 47年8月 損害賠償請求に関し、被害者側勝訴の判決
 48年 環境庁の委託によるイタイイタイ病に関する総合的研究の開始
 48年7月 三井金属鉱業株式会社と被害者との補償協定成立
(2) 現状
 補償法による被認定者は、50年3月末現在70人(ほか救済法施行後死亡者34人、施行前死亡者24人)である。
 なお、イタイイタイ病の被認定者は49年10月を最後としているが、富山県においては指定地域における要観察者123人(50年3月末現在)について管理検診を行って経過を観察している。

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