9 その他の環境保全に関する調査研究
(1) 公害防止技術開発研究
通商産業省においては、民間企業の研究ポテンシャルを有効に活用することによって、公害防止技術の開発を国と民間とが協力しつつ進めるため「重要技術研究開発費補助金」により助成を行うほか、「大型工業技術研究開発費」により大型プロジェクトを推進し、更に、資源再生利用技術システムについても政府、民間の協力によりその実現を図っている。
重要技術研究開発費補助金では、主として中小企業に適用する実用的な公害防止技術の開発を行うため「公害対策技術開発費」、汚染物質を環境中に排出しない生産技術の開発を行うため「クローズドプロセス技術開発費」、試験研究段階を終了した技術の企業化を図るため「公害防止技術企業化開発費」をそれぞれ設け、引き続き助成を行うとともに新たに、固定発生源から発生する窒素酸化物の防除技術の開発を行うため「窒素酸化物対策技術研究開発費」を設け助成を行う予定である。
また、大型工業技術研究開発費では、「電磁流体(MHD)発電」、「電気自動車」、「自動車総合管制技術」及び「高温還元ガス利用による直接製鉄」を引き続き実施することとしている。
(2) 大学における調査研究及び学科等の新増設
人間と自然環境の相関関係について、基礎的研究を行うため「人間の生存と自然環境に関する基礎的研究」のほか「災害、公害からの都市機能の防護に関する研究」を引き続き実施する。
また、文部省では、環境関連学科等として北海道大学に衛生工学科を新設するほか9大学に9学科を新設、東京工業大学に化学生態システム解析講座を新設するほか5大学に5講座を新設、大阪大学と東京工業大学に大学院専攻課程を設置することとしている。
(3) 各種調査研究等
通商産業省においては、引き続き「産業公害総合事前調査」を実施するとともに内陸部の工業開発に際して産業公害の発生を未然に防止するために必要な資料を得るため「内陸工業開発総合事前調査」を、大気中の有害物質の自動計測器の標準化、公害計測用の化学標準物質の標準化及び自動車排ガスの試験方法の標準化を図るため「工業標準化調査研究」を実施するほか、公設試験研究機関の行う公害防止技術の開発に対しても助成を行う予定である。
農林省においては、都道府県農林関係試験研究機関等の行う環境保全研究に対して、また、建設省においては「建設技術研究費補助金」により環境保全技術の開発に対して引き続き助成を行う予定である。