3 公害防止協定の締結状況
48年10月1日現在公害防止協定を締結している地方公共団体は、40都道府県、759市町村、計799団体で、相手方事業所数は5,097となっており、前年同期と比べると地方公共団体で300団体、相手方事業所数で1,895の増加をみせている(第8-7-9表)。
このように引き続き公害防止協定の締結件数が増加している理由としては、?公害防止協定により公害規制法規を補完することができる、?公害防止協定により、当該地域社会の地理的、社会的状況に応じたきめの細かい公害防止対策を適切に行うことができる、?公害防止協定は将来の具体的な公害対策又は公害予防技術の開発を促進させる効果をもっている、?企業側からみても、立地するに際して地域住民の同意を得なければ操業が不可能となっている等の事情があげられよう。48年10月1日現在で協定を締結している事業所を業種別にみると化学工業が577で最も多く、次いで機械工業が571、金属製品製造業が558となっている。(第8-7-10表)。
次に、公害防止協定の内容についてみると、防止の対象としている公害で最も多いのは水質汚濁で、相手方の事業所総数の50.3%がその対策を織り込んでいる。防止対象別の相手方事業所数をみると第8-7-11表のとおりである。
更に、公害防止協定には住民団体が地方公共団体とともに事業所を相手として結んでいるもの、又は、立会人として参加しているもの等住民が参加して締結されたものが多くみられるようになってきている。その件数は48年10月1日現在321件でその割合は全体の6.3%となっている。また、住民団体と企業の間で結ばれている公害防止協定も796件と急増している(第8-7-12表)。
また、いわゆる総量規制の観点から地域の汚染排出量との関連を考慮して具体的な公害防止措置を定めたものは、第8-7-13表のとおりである。
また、公害規制の厳しい態度の反映として、事業所が公害を発生したときの操作停止や、損害賠償について定めたもの、無過失損害賠償責任を定めたもの、立入調査を定めたものが多くなってきている(第8-7-14表)。
更に、公害防止協定を履行しない事業者に対し、その履行を求めるため、地方公共団体、住民団体がその協定に基づく措置をとった事例は、47年度で60件(うち地方公共団体締結分52件、住民団体締結分8件)であったのに対し、48年度で地方公共団体締結分について63件、住民団体締結分について5件、全体で68件と増加している。