2 国民公園及び墓苑
旧皇室苑地であった皇居外苑、新宿御苑及び京都御苑は国民公園として46年以来環境庁が管理し広く一般に利用され親しまれている。
皇居外苑は、44年4月から建設省により森林公園として整備された旧江戸城北の丸地区を加えて一般の利用に供されている。皇居前広場はクロマツと芝生を中心に整備されており、利用者は年間800万人に及んでいる。近年交通量の増大による排気ガス等によってクロマツ等の樹木が衰弱してきたので、40年度から3年計画で補植等を行ったが、43年度以降も引き続き、老木等の補植を行っている。このほか広場の舗装、放送施設の改修及び石垣調査等を行った。また、北の丸地区は、森林公園にふさわしく、19.3ヘクタールの園内にはかん木を含めて百数十種10万本を超える樹木が植えられ、年間利用者は350万人に達している。
新宿御苑は、明治時代における和洋折衷の代表的庭園で年間利用者は約180万人に及んでいる。面積58.3ヘクタールの園内には、約1,800本の桜樹があるが、四季にわたり花を観賞できるよう全園にわたり花木の整備を進めたほか、芝生の張替え、栽培室建替工事等を行った。
京都御苑は、京都御所を囲む面積65.3ヘクタールの園地で、御所の環境を守るとともに京都市の中央公園的役割を果たしており、年間利用者は600万人に及んでおり、その整備を図るため芝生の張替え、堤塘の修景等を行った。
千鳥ヶ渕戦没者墓苑は、千鳥ヶ渕に臨む1.6ヘクタールの墓苑で、ここには戦後海外の各地から収集された遺族に引き渡すことのできない戦没者の遺骨約17万3千柱が安置されており、年間の参詣者は15万人に達している。48年度においては樹木の補植、給水施設の整備等を行った。