2 規制措置の強化
(1) 上乗せ排水基準の設定
公共用水域の水質の保全のために、水質汚濁防止法は公共用水域に排出される排出水について全国一律の排水基準を定めているが、更にこの排水基準では環境基準の達成が困難な水域については、都道府県がより厳しい上乗せ排水基準を設定し得るものとしており、これによってきめ細かい水質保全行政が行われることを期待している。48年度末において、上乗せ排水基準を設定しているのは、45都道府県で、大都市内河川、工業地帯地先海域を中心に基準が設定されているが、水域によっては、新・増設に対する厳しい上乗せ排水基準が設定されており、水質規制は一段と強化されている(参考資料2参照)。
48年度においては上乗せ排水基準設定促進のため、72水域に対して基準設定のための水質調査費又は基準設定費の補助を行った。
(2) 規制対象の拡大
水質汚濁防止法は旧工場排水規制法当時の約130業種に比べ、約4倍の約520業種を規制対象としている。しかし、現在なお規制の対象から残されているものがあり、これらについては順次実態調査を実施のうえ規制対象として組み入れていくこととしており、48年度においては、ごみ処理施設、浄水場及び水産物市場についての排水の実態調査を実施した。
(3) 規制項目の追加、見直し等
温排水、有色排水について、47年度に引き続き、環境に及ぼす影響等について調査研究を実施した。また、窒素、リンについても、海域の赤潮及び湖沼の富栄養化の進行に関連し、発生源の実態は握に努め、更にABS及びアンチモンについても48年度において、排出水の実態調査を実施した。