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第2節 

2 工業用水の汚濁

 全国の工業用水使用量は、46年度には約9,500万m
3
/日であり、そのうち回収水を除く淡水補給量は約4,200万m
3
/日に達している。この淡水補給量の65%余りがその水源を河川に求めており、河川水への依存度は今後とも高まっていくものと思われる。
 河川水を工業用水の水源とする場合には、水質汚濁の影響を受けやすく水質処理にかなりの費用を要するとともに処理汚でい量も増大している。また、良質の水を得るために、河川上流部から取水することが必要となることもあり、建設コストの上昇が著しくなっている。
 工業用水道事業では、一般に薬品沈でんにより水質処理を行っているが、これでは、コロイド状濁質の除去にとどまり、有機物、溶解金属等を十分に除去することは困難であり、工場の設備の腐蝕等が生じるおそれもあるので、河川の水質が更に悪化すれば水処理施設の改善が必要となってくる。

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