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第2節 廃棄物処理施設整備事業

(1) 概説
 廃棄物の処理施設は、「生活環境施設整備5箇年計画(38〜42年度)」と、「し尿処理およびごみ処理施設整備5箇年計画(42〜46年度)」によって計画的に整備促進が図られてきた。しかし、一般廃棄物の衛生処理率はまだ改善がみられず、また、工場または事業場における事業活動に伴って排出される産業廃棄物の処理体制の整備も急がれており、いずれについても処理施設の整備が緊急に必要となっている。
 このような事態に対処するため、廃棄物処理施設整備緊急措置法が47年6月23日に制定され、これに伴う新たな「廃棄物処理施設整備計画(47〜50年度)」が閣議了解されている。
(2) 昭和48年度の予算および重点事業
 48年度は、「廃棄物施設整備計画」(閣議了解事項)の第2年度に当たり、一般廃棄物処理施設および産業廃棄物処理施設の整備を重点施策としている。
ア 一般廃棄物処理施設の整備
(ア) し尿処理施設の整備
 し尿処理施設整備費の地方公共団体に対する国庫補助は、補助率を原則として1/3とし、47年度からの継続事業分を含めて3,531百万円が計上された。このうち、新規着工分の施設規模は2,526kリットル/日である。
 また、地域し尿処理施設整備費の国庫補助は補助率を1/3とし、48年度分として264百万円が計上された。整備規模は88千人である。
(イ) ごみ処理施設の整備
 ごみ処理施設整備費の地方公共団体に対する国庫補助は、補助率を原則として1/4とし、12,058百万円が計上された。
 施設の整備規模はごみ焼却施設として11,772トン/日ほかに粗大ごみ処理対策としての破砕施設および圧縮施設の整備が人口15万以上の都市または一部事務組合を対象に約50都市分見込まれている。
 なお、「公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」に基づく国の一般廃棄物処理施設の補助のかさ上げ額は約2,803百万円の予定である。
イ 産業廃棄物処理施設の整備
 産業廃棄物の広域的対策としては、47年度と同様に2億円の国庫補助が認められている。
 また、廃棄物処理施設整備事業にむけられる財政投融資は本年度630億円(47年度は544億円)が見込まれている。
 地方公共団体が実施する廃棄物処理施設の整備に対する国庫補助額は、第6-2-1表に示すとおりである。
(3) 廃棄物処理施設整備計画(閣議了解)の概要
ア 一般廃棄物処理施設
(ア) し尿処理施設等
 し尿の処理については、し尿処理施設、地域し尿処理施設、し尿浄化そう、公共下水道および流域下水道の終末処理場による処理を合せて計画処理区域におけるし尿の衛生処理率が、45年度末の79%から50年度末の計画処理人口10,493万人(全国総人口の95%)の100%になるよう施設整備を図るものとする。
(イ) ごみ処理施設等
 ごみの処理については、計画処理区域における可燃性ごみの焼却施設整備率を45年度末の68%から50年度末には90%にするほか、不燃性のごみ、粗大ごみについても適正に処分するための施設の整備および埋立地の確保を図るものとする。
(ウ) 産業廃棄物処理施設等
 地方公共団体が設置する産業廃棄物処理施設の計画的な整備を図るもので、主として中小企業から排出される汚泥、廃プラスチック類、廃油等を対象とする産業廃棄物処理施設および埋立処分施設について、緊急度の高い地域から逐次整備を図るものとする。
 なお、第3次整備計画における事業量および事業費を第6-2-2表に示した。

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