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第3節 環境アセスメントの手法開発

 各種の地域開発、公共事業等を進めるにあたっては、これら開発や公共事業が環境に悪影響をもたらさないよう未然の防止策を講ずる必要がある。このための方策としては、地域開発や公共事業の実施にあたって、あらかじめ、これら開発や事業の環境に及ぼす影響の内容、程度を十分チェックする「環境アセスメント」を実施することが環境保全対策上きわめて重要である。このような見地から48年度において次のような施策を講ずることとしている。
(1) 工業立地を中心とする地域開発にかかる環境アセスメントの手法開発に資するため、? 現在進行中の工業開発地域における排出源および環境の受容能力等の計量的な把握、地域開発計画における環境汚染予測方法等の検討分析、環境保全上十分な安全率を見込んだ開発許容規模の把握、? 既存コンビナート地域等に関する開発段階から公害発生までの過程における環境上の問題事例等の収集、解析などを行ない、これを総合的に分析することによって、今後の地域開発にともなう環境影響およびその防止方策等に関する評価上の判断項目(チェック・リスト)の作成を行なうこととしている。
(2) 都市における大気汚染を防止するため、都市の構造とこれらの都市における大気汚染がどのように関連しているかを解明し、都市構造の改善、地域冷暖房システムの導入等による汚染の改善効果について検討する。
(3) 今後の新幹線網、高速自動車網および航空網の整備に伴って増大することが予想される騒音問題を未然に防止するため、高速輸送網の整備に関する環境アセスメントを実施し、公害のない高速輸送機関の整備について方向づけを行なう。
(4) 公共用水域の水質に関する因子には、?汚濁負荷、?浄化作用、?水質評価があり、それぞれの因子は公共事業の実施によって影響を受ける。そのため、それぞれの因子を抽出して詳細な検討を加え、水質を変数とするコスト函数として表現する。これより、その総計を最小にするような水質値を求めるプログラムを作成する。
(5) 水の自浄能力を把握するため、流出率、浄化率等の調査を行なう。

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