前のページ 次のページ

第1節 

3 中小企業の公害対策

 公害問題の深刻化に対処して中小企業も積極的に対策を講ずる必要があるが、中小企業は資金調達力や適切な防止策についての知識が乏しく、また、中小企業に適した防止技術や機器の開発が遅れていることなどの制約があり、十分な公害防止対策を講ずることが困難な状況にある。このため中小企業が公害防止を適切に行ないうるよう資金的助成、技術開発および指導等において次のような措置を講ずることとしている。
(1) 金融税制上の助成
 前述したように、従来からの公害防止事業団、中小企業振興事業団、中小企業金融公庫および国民金融公庫から公害防止施設に対する長期、低利の資金貸付けを行なっているが、46年度には資金枠の大幅な拡大とともに、貸付対象の拡大、貸付限度および期間の改善等を図ることとしている。
 また、中小企業設備近代化資金については、公害防止施設に対する優先貸付けおよび対象機器の追加指定を行なうとともに、設備貸与制度の貸与対象に、新たに公害防止施設を加えることを計画している。
 さらに、中小企業信用保険制度に限度別枠、低保険料率の公害防止保険を創設し、中小企業の公害防止金融を円滑化する。
 公害防止税制については、前述のとおり特別償却、固定資産税の減免措置の拡充を図るが、とくに中小企業については、初年度1/2の特別償却と3年間各年30%の均等償却との選択を認めることとしている。
(2) 技術開発
 前述のように、技術改善費補助金制度および国産新技術企業化等貸付制度(中小公庫融資)を通じて中小企業が行なう公害防止関連技術の開発および企業化を促進するとともに、中小企業では開発厳難な技術については国公立試験研究機関が開発し、その成果を広く普及することとしている。
(3) 指導
 商工会議所の産業公害相談室を新たに14か所増設(45年度14か所から46年度28か所)することにより中小企業者の種々の公害相談に応ずる。
 また、公設試験研究機関の技術指導事業を通じて中小企業の公害防止関連技術の指導を強化する。

前のページ 次のページ