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第8節 

3 農林省

 農林省の農林水産業に係る公害防止のための試験研究は、昭和43年度から4か年計画により特別研究として実施している「農林水産物の生育環境保全に関する研究」を、引き続き農林省試験研究機関が中心となり、公立試験研究機関、大学等の協力のもとに組織的共同研究として行なうこととし、46年度は、本研究を拡充強化して推進することとしている。本研究により、従来から実施している大気汚染による汚染物の農林作物に及ぼす影響の測定方法等の研究、水質汚濁が農作物および水産生物に及ぼす影響に関する研究、豚のふん尿処理に重点をおいた家畜ふん尿処理技術の開発に関する研究のほか、46年度からは、本研究の一環として重金属による土壌汚染が農林作物に及ぼす影響に関する研究を実施することとしている。
 また、最近における農薬汚染問題に対処するため、46年度から新たに大型研究として予算額1億191万円をもって「害虫の総合的防除法に関する研究」を開始し、なるべく農薬によらず天敵、性誘引物質等を利用した害虫の防除体系の確立に資することとしている。
 このほか、都道府県農業関係試験研究機関が行なう水質汚濁および大気汚染等に伴う農作物被害対策試験および家畜ふん尿処理利用試験等に対して引き続き助成するほか、46年度からは「光合成細菌による汚水処理に関する研究」にも助成することとしている。なお、46年度から都道府県林業試験研究指導機関の行なう「大気汚染の樹木に及ぼす影響ならびに緑化樹木育成に関する研究」に助成する。また、大学および民間試験研究機関の研究者が行なう農業関係公害対策試験についても引き続き助成することとしている。

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