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第3節 

2 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案

 45年12月1日に内閣総理大臣は千葉県千葉・市原地域、三重県四日市地域および岡山県水島地域の3県の公害防止計画を承認し、また第64回国会において公害防止事業費事業者負担法が成立したが、これを契機に地方公共団体を中心とする公害防止事業の推進体制の整備とその実施への要請は、一段と強まるに至った。このような背景の下に地方公共団体が行なう公害防止対策事業に係る経費に対する国の負担または補助の割合を引き上げるなど国の財政上の特別措置を講ずることが強く要請されることとなった。
 政府においては、これらの要請にこたえ、公害対策に関する国の財政責任を明確にするため、上記法案を第65回国会に提出する運びとなった。
 この法案は、公害防止計画策定地域を主たる適用地域として、特定公共下水道、公害物質の排除の目的をあわせ有する都市下水路および終末処理場の設置・改築事業、緩衝緑地等の設置事業、廃棄物処理施設の設置事業、公立義務教育諸学校の移転および施設設置事業、河川・港湾等の浄化事業、汚染農用地等の土地改良事業、公害監視測定施設設備の整備事業その他の事業について、国庫補助負担制度の新設、国庫補助負担率の引上げを行なうとともに、適債事業の拡大、政府資金の優先充当、元利償還金の地方交付税への算入等の措置を講ずることを、その内容としている。

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