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第2節 

3 農林省

 農林省における公害防止のための試験研究は、45年度も前年度に引き続き農林水産物の生育環境保全に関する研究(44年度予算額3,906万円、45年度予算額4,309万円)により、関係試験研究機関の組織的共同研究体制のもとに大気汚染、水質汚濁等による農林水産被害を防止するための研究を行なった。
 大気汚染については、農林技術研究所、林業試験場等において汚染ガスの農林作物に及ぼす影響の測定方法等の研究を、水質汚濁については、農業技術研究所、東海近畿農業試験場において重金属元素や窒素化合物による水質汚濁が農作物に及ぼす影響の解析を、水産研究所において汚濁水が水産生物に及ぼす影響の解析を行なった。
 さらに畜産試験場等において、水質汚濁や悪臭の原因となる家畜ふん尿の処理技術の開発を進めた。
 このほか、都道府県農業関係試験研究機関が行なう水質汚濁に伴う農作物被害対策試験、大気汚染物質が果樹、桑、水稲等に及ぼす影響試験および家畜ふん尿処理利用試験等に対して助成を行なうとともに、大学等の研究者による食品製造工場等の廃水処理および畜産における悪臭発生防止に関する研究に対しても助成を行なうなど研究の促進を図った。

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