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第1節 

2 和解の仲介、調停、仲裁の制度

(1) 和解の仲介
 和解の仲介とは、3人の仲介委員が当事者の意見を聞き取るなどして、当事者間の民法上の和解をあっせんすることをいう。あっせんに応ずるか否かは当事者の意思にゆだねられている。
(2) 調停
 調停とは、調停委員会が当事者双方の意見を聞き、かつ、独自に事実の調査等を行ない、これらに基づいて独自の判断を調停案として作成して当事者に提示し、これに沿って紛争の解決を図ることをいう。調停案を受諾するか否かは当事者の任意であるが、調停案が受諾され調停が成立した場合には、その効力は民法上の和解契約と同一の効力を有する。
(3) 仲裁
 仲裁は裁判所において裁判を受ける権利を放棄し、当事者が合意によって選定した仲裁委員会に紛争解決の判断(仲裁判断)をゆだね、その判断を最終的なものとしてこれに服従することを約束(仲裁契約)することによって、紛争の解決を図ることをいう。仲裁判断は確定判決と同一の効力を有する。なお、本制度による和解の仲介、調停および仲裁は、民事訴訟制度と並存するものであり、現に訴訟中の事件についても、本制度を並行して利用することができるし、また、本制度による和解の仲介および調停に係属中の事件についても、これと並行して訴を提起することもできる。

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