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第5節 

2 その他の措置

 民間航空機騒音防止対策としては、航空機騒音防止法、防衛施設周辺の整備等に関する法律(防衛施設周辺整備法)に基づく措置のほか、行政指導により、次の措置を講じている。
(1) 東京国際空港における措置
 東京国際空港については、昭和37年12月21日に閣議了解を得て、38年4月1日以降、午後11時から翌日午前6時までの間、原則としてジェット機の発着を禁止している。また、騒音の根本的軽減を図るため、現在1,570mのB滑走路を45年度までに2,500mに延長し、これによってほとんどの航空機を海側から着陸させ、海側へ離陸させることを可能ならしめることとしている。
(2) 大阪国際空港における措置
 大阪国際空港においては、40年11月24日閣議了解を得て、同日以降深夜(午後11時から翌日午前6時まで)のジェット機の離着陸を原則的に禁止し、空港周辺の住民に及ぼす航空機騒音の被害を軽減する措置を講じてきた。しかし、45年2月には長さ3,000mのB滑走路の供用が開始され、空港周辺の住民に及ぼす騒音が、従来より大きくなるおそれがあるところから、上記の措置のほかに、時間帯ごとに航空機騒音の最高限度を定めてその軽減措置を、B滑走路供用開始の日から講ずることとした。具体的な制限措置の内容は、次のとおりである(第3-7-3表参照)。
ア 22時30分から翌日6時30分までは、住民の睡眠を妨げないよう騒音を75ホン以下に制限する。
イ 6時30分から7時まで、および20時から22時30分までは、通常住民が静穏を必要とするか、または一家団らんの時間帯であるので、原則として100ホンに制限する。
ウ 7時から20時までの日中においては、大阪と欧米諸国との間の航行を可能とするとともに、周辺住民に現在より大きな騒音を与えないようにするために107ホン以下に制限する。
 上記の規制措置による効果としては、次のものがある。まず直接的効果としては
ア 従来の深夜のジェット機の離着陸禁止のほか、6時から6時30分まで、および22時30分から23時までのジェット機の事実上の離着陸禁止
イ 22時30分から翌日6時30分までのプロペラ機についても75ホン以下に規制
ウ 20時から22時30分まで長距離線大型機の事実上の離陸禁止
エ 6時30分から7時まで長距離線大型機の事実上の離着陸禁止
オ 7時から20時までは、B滑走路供用開始前の最高騒音(107ホン)以下に規制
 となるため、騒音のいっそうの軽減が期待される。
 また、間接的効果としては、本措置によって騒音についての認識が高まり、騒音の少ない機材の開発と利用を促進することが期待されるとともに、運航管理者および乗組員に対して騒音についての注意を喚起することが期待される。
 一方、環境監視体制の充実を図るため、43年度に川西市久代小学校に設置した測定塔のほか、44年度にB滑走路南側の豊中市豊南小学校に測定塔を建設し、これらの測定等を用いて、大阪国際空港周辺における航空機騒音軽減に積極的に取り組む体制を整備することとしている。

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