2 河川の流況改善
わが国の河川は、欧米諸国の河川に比べて河川の長さが短かくかつ急峻である。またアジアモンスーン地域に属しているため、年間降雨量は欧米に比べてはるかに多いが、梅雨期、台風期等に降雨が集中するので河川の年間総流出量の大部分は洪水として流出する。したがって年間を通じて流量の変動が著しく、洪水時には水害をひん発させ、渇水時には水利用上水量、水質ともに問題を起こすことが多く、流量を平滑化する必要がある。
このため多目的ダムを建設し、年間を通じ河川流量の調整を行ない、ダム下流に一定流量を常時確保することにより、河川の流況および水質を改善し、流水の正常な機能の増進を図ることにより河川汚濁対策に努めている。
44年度までに完成したダムは114事業であり45年度においては、第3次治水事業5か年計画の第3年度として、同計画の完成を目ざして多目的ダムの建設を積極的に実施するため、新規に12事業に着手するほか継続78事業を推進し、積極的に流況の改善を行ない、利水者の取水の安定化ならびに河川水質の保全を図るものである。