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第2節 

2 下水道の種類

 下水道をその構造、目的等によって区分すると公共下水道、流域下水道、都市下水路および特定公共下水道(従来の特別都市下水路で計画汚水量の大部分を工場汚水で占めるものである。)となり、雨水排除を目的とした都市下水路を除いた他の下水道はすべて水質汚濁防止に資するものである。
(1) 公共下水道
 公共下水道は市街地に網の目のように布設された管渠により家庭下水や工場廃水を集めて、末端の終末処理場できれいな水にする施設で、都市部における静脈といえるものである。下水道法では、公共下水道が供用開始された区域内では、住民に公共下水道に流入させるための排水設備の設置を義務づけており、当地域内で発生する汚水はすべて公共下水道に収容されることになる。
(2) 流域下水道
 流域下水道は、とくに水質汚濁の防止を図るという観点から、河川流域内の各都市から発生する汚水を行政区界にとらわれることなく、効率的に集めて終末処理場で処理する広域根幹的な下水道であって、それに接続する関係市町村の実施する公共下水道と一体的に整備されると広域的な水質保全が可能となる。
(3) 特定公共下水道
 特定公共下水道は、中小企業が多数存在している地域において、公共用水域における水質汚濁の防止を図るという観点から、主として工場廃水を集め、終末処理場で処理してから、放流する施設である。
 これらの3種の下水道によって、市街地から発生する汚水を処理し、放流することにより、美しい河川やきれいな海を再現することができるのである。

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