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第4節 

3 集合高煙突の建設

 集合、高煙突化対策は、逆転層を突き抜けて排煙することおよび拡散希釈を図ることにより、工場等の近辺の高濃度汚染を低減させようとするものである。わが国においては、鉱山等における高煙突があったが、昭和30年代後半以降、主としていおう酸化物対策として高煙突化が進められてきた。その代表的な例としては、39年の横浜市における火力発電所建設に際しての協定締結、四日市地区特別調査団の勧告等があげられる。
 40年度以降、国、地方公共団体等における工業地区の気象拡散調査、風洞試験等科学的実験を背景として集合高煙突化が進められてきている。また、43年12月の大気汚染防止法の制定において、いおう酸化物の排出基準を煙突の有効煙突高さに応じた規制とすることとなった。現在までの高煙突化の進捗状況を第3-4-6表および第3-4-7表に示す。
 このように高煙突化が進められたことにより、工場近辺の高濃度汚染については改善が図られつつあるが、一方、汚染範囲の拡大が懸念されるに至っている。

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