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第2節 

2 地方監視測定体制

 地方における大気汚染の監視測定は、大気汚染防止法の規定に基づき都道府県および政令により定められた市において行なわれているが、この測定は従来から簡便な方法として、いおう酸化物については二酸化鉛法により、降下ばいじんについてはデポジットゲージをもって行なわれているところであるが、いずれの方法も測定には1か月の期間を要し、大気汚染の長期間にわたる経時的変化等を知るには適しているが、常時測定を行なうためには適当な方法ではない。これがため大気汚染防止法の規定に基づく常時監視および高濃度汚染が発生した場合における緊急時の措置を適切に講ずるためには、常時測定可能な自動測定記録計を用いて測定を行なうことが必要である。現在逐次整備されつつある地方の大気汚染監視網(整備状況第3-4-3表のとおり)においては、各測定点にいおう酸化物、ふんじん、風向風速、気温等の自動測定記録計を設置して測定が行なわれており、また、さらには近時信頼性の高い自動測定記録計が各種開発されるに及び、これとあいまってテレメーターシステムによる遠隔測定が可能となり、近時の監視測定網はすべて第3-4-3図のごとき標準的テレメーターシステムをもって整備されているところである。このシステム化によって各測定点のデータは中央の監視センターなどに伝送され、センターにおいては大気汚染の集中的常時監視が可能となり、また、データ処理装置等をもってデータの記録および汚染原因の分析解明による汚染の予測を行なうなどの作業を自動的に処理し、あわせて高濃度汚染が発生した場合における緊急時の措置を迅速に講ずるため、いっせい指令装置をもって関係企業等に汚染状況の伝達を行なうなど各種の業務が円滑に行なわれており大気汚染防止に多大の効果をあげている。

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