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第2節 

3 わが国の公害・環境問題に関する国際協力の現状

 環境問題の解決のためには幅広い国際協力が要求されているが、この国際協力のうち、現在とくに有益かつ必要なものは、環境対策に関する情報の交換と研究・技術の交流である。このため、わが国は、自らの研究成果を広く公開するとともに、諸外国の研究成果を積極的に取り入れるよう努力している。
 このような観点から、前述のように、わが国は1972年の「人間環境に関する国連会議」の準備委員会のメンバーとして、その準備作業に全面的な協力を行なっているほか、WHO、FAO、UNESCO、IMCO、世界気象機関(WMO)等の国連専門機関や、国際原子力機関(IAEA)、国連欧州経済委員会(ECE)、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)等国連の各種機関、さらにわが国もそのメンバーであるOECD等における環境問題に関する諸活動に積極的に参加している。また、このような国際協力の一環として、日本政府は、1970年11、12月に大阪において行なわれた、WHOの初めての試みである「WHO公害セミナー」の開催に全面的な協力を行った。
 また、環境問題における二国間協力としては、従来より日米間に、日米天然資源開発利用計画に基づき大気汚染、水質汚濁、公園管理、森林管理、海洋気象、海洋調査、都市、住宅等の分野において研究開発を中心とした協力を行なってきたが、1970年10月、東京で行なわれた「公害に関する日米会議」の結果、今後日米間に環境問題に関する閣僚レベルの定期的な会合を設けることが決まり、両国間の技術交流を含む環境に関する広範な分野での協力がいっそう強力に推進されるものと期待されている。わが国は、また、イギリス、フランスなどの諸国とも随時関係情報・知識の交換、学者、専門家の交流等を行なっている。

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