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第2節 

2 経済協力開発機構(OECD)における環境保全に関する事業の拡充強化

 OECDは、本来、経済成長の達成、開発途上国援助および貿易の拡大を主要目的として1961年に設置されたものであるが、近年に至り、先進諸国が共通に苦悩している現代社会の諸問題、すなわち、都市化の問題、大気汚染、水質汚濁、騒音等の公害問題、交通問題等の解決に対しても研究協力委員会等を設置し、問題別に積極的に取り組んできた。
 加盟諸国における公害問題の拡大と、この問題解決の重要性に対する認識が高まり、OECD内において環境問題を専ら扱う委員会を常設する動きが盛り上り、1970年3月および4月には「経済成長との関連においてOECDが取り組む環境問題活動に関するアドホック準備委員会」が開催され、環境委員会設置案が検討されて、同年7月に環境委員会が設置された。本委員会のおもな任務は、(ア)貿易上の意議との関連において人間環境の保全、改善の諸問題に関する調査研究を実施すること、(イ)加盟国において講じられ、あるいは予定されている環境分野の諸対策ならびにその経済、貿易に与える影響を検討すること、(ウ)費用―効果問題を含めあらゆる関連要因を十分考慮に入れた環境問題の解決策を提案することなどである。
 なお、本委員会の設置に伴い、OECDの事務局に天然資源・公害防止部、都市環境・土地利用計画部および解析評価部によって構成される環境局が新設された。

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