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第2節 

3 下水道整備事業

 下水道の整備は、第二次5か年計画に沿って鋭意促進を図っているところであるが、それにもかかわらず下水道の普及率は、昭和44年度末において22.1%(排水面普及率)にすぎない。
 産業、経済の進展に伴い、今後ますます水質汚濁の問題は緊急な課題となってくる。国土建設の長期構想によれば、60年における市街地面積は12,500km
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と推定しているが、終局的には、その全市街地の下水道を完備することが水質による公害をなくし水資源を保護することになる。このため、今後下水道整備および下水道技術開発に対し、積極的な投資が必要となってくる。
 45年度は、第二次下水道整備5か年計画の第4年次にあたり、総事業費約1,894億円(国費約474億円)で事業を実施する見込みである。このうち水質汚濁防止対策としての公共下水道、流域下水道および特別都市下水路の事業費は約1,803億円を見込んでおり、これは下水道総事業の約95%にあたる。
 公共下水道については新規に25都市で事業に着手する予定であり、継続分も含めて合計251都市で事業が実施されることになる。その総事業費は約1,631億円を見込んでいる。この結果、普及率は23.6%に上昇するものと見込まれる。
 流域下水道については、44年度からの継続9か所に加え、新規に大和川上流等3か所で事業に着手する(第3表参照)。
 大和川上流流域下水道事業は、大和平野の宅地開発による急激な人口増加に伴う同河川の水質汚濁防止を目的とするものであり、その下流流域下水道事業は堺市上水道水源の水質保全をも考慮して大阪府内における汚濁負荷の防止を目的としているものである。
 淀川右岸流域下水道は、同河川が近畿圏の経済活動の根幹をなす河川であることにかんがみ、同河川の右岸から流入する水無瀬川、檜尾川、芥川に起因する汚濁の進行防止を目的とするものである。
 特別都市下水路については、従来の継続事業に加えて、新たに駒ヶ根市と鹿児島市工業団地の2か所の事業に着手することになり、総事業費約21億円をもって千葉県市原市等9か所で事業を実施する予定である(第4表参照)。

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