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第2節 

2 組織

(1) 行政組織
 昭和44年7月5日現在、公害専門部課をもっている都道府県は28、公害専門部課はないが公害専門係またはこれに相当する組織をもっている都道府県は17である。
 前年度に比べて新設された公害専門課が9、公害専門係が8と非常に多かったのは、公害の悪化と公害に対する国民の関心の高まりの中で、都道府県が公害行政に本格的に取り組むために組織の拡充を行なったことによるものである。
 市町村の公害担当組織についてみると、公害専門課を組織しているのは、53市2町、計55市町、公害専門係を組織しているのは、109市40町8村、計157市町村である。
 公害専門課ないしは係を設置している市町村が、前年度に比べて100市町村も大幅に増加したことは、公害が大都市や先進工業地帯に限定された局地的なものから全国的なものになってきている現状を反映しているといえる。
(2) 審議会等の設置状況
 現在、273の地方公共団体が公害対策の基本的事項、公害紛争の調整、苦情の処理あるいは公害対策の連絡調整のために審議会等の組織を設けている。
 都道府県についてみると、45都道府県が98の審議会、協議会等の組織を設けているが、このうち、学識経験者、住民代表、議員等を含む知事の諮問機関としての「公害対策審議会」を設置しているのは、43都道府県である。
 残りの55の組織は、いずれの庁内の公害対策の連絡調整のために設けられたものである。
 市町村についてみると、228市町村が242の組織を設けているが、このうち学識経験者等を含んだ「公害対策審議会」は151市町村である。
 また、公害の広域化に伴い、関係地方公共団体の間で公害防止を広域的に進めるための連絡調整組織を設ける例がふえており、その数は全国で26にのぼっている。
(3) 監視測定体制
 公害に係る監視測定体制は、最近一段と強化されてきている。
 都道府県および指定都市についてみると、大気汚染の監視測定を実施しているのは、36都道府県、6指定都市であり、とくに、いおう酸化物については、35都道府県、6指定都市が1,068の測定点で常時監視測定を行なっている。
 水質汚濁については、30都道府県、5指定都市が定期的に監視測定を行っており、その測定点は全国で2,000か所以上に及んでいる。
 一方、一酸化炭素や窒素酸化物については、この問題が比較的新しいため、測定点も全国で100か所を下回り十分な監視測定体制が整備されておらず、今後の強化が期待されている。
 また、大気汚染や水質汚濁に対する広域監視測定網の整備もしだいに進みつつあり、すでに、東京都と川崎市の間で大気汚染の広域監視測定体制が確立されている。

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