2 国設大気汚染測定網

　大気汚染物質のうち、現に規制対象としているもののみならず、将来の問題となるものも含めて地域類型的にとらえ、環境基準の設定、公害防止計画の策定など重要な大気汚染防止施策に役立てる目的で、昭和40年度より年次計画によって、全国の主要都市に国設大気汚染測定所が設置されている。
　45年3月現在、稼動中の測定所は、札幌、東京、川崎、名古屋、大阪、尼崎、倉敷、宇部、北九州の9か所であり、また、44年度においては新たに市原、松江の測定所が設置され、45年度から稼動することになっている。これらの測定所には、自記風向風速温度湿度計およびいおう酸化物、浮遊ふんじん、窒素酸化物、炭化水素、オキシダント、一酸化炭素の自動測定記録計を整備しているほか、また、各測定値を整理記録するためのデータ処理装置を設置している。
　国設大気汚染測定網は、地方監視測定施設の測定の方法やデータ処理の方法の標準化等に関する調査研究の資料を提供しており、大気汚染施策に資する点が大であろう。