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第4節 

4 野外レクリエーション等のための自然環境の被害

 生活水準の向上、余暇時間の増大等に伴い、観光や野外レクリエーションに対する国民の欲求は急速に高まりつつある。とりわけ、社会活動が複雑化し、都市の過密化に伴う生活環境の悪化が進むにつれて、自然環境の中に観光や野外レクリエーションの場を求める機会は、今後ますます多くなるものと思われる。
 しかし、ここでも大気汚染、水質汚濁といった公害が都市周辺から漸次自然の秩序を破壊し、国民の安らぎの場を奪いつつある。
 いったん破壊された自然を取り戻すことは不可能といってもいいだけに、公害から自然環境を保護し、国民が自然に親しむ場を確保することは、公害行政に課せられた差し迫った重大な課題といわなければならない。
 たとえば、夏期における国民の主要な憩いの場である海水浴場は、年々海水の汚濁がその度を加え、とくに大都市周辺においては、次々と姿を消そうとしており、清浄化対策が強く望まれている。

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