前のページ 次のページ

第2節 

3 湖沼

 わが国の湖沼は、周辺の河川から流入する汚染物質の増加により、窒素、燐等の栄養塩の供給を受けてプランクトンの発生を促進し、貧栄養湖にあっては、富栄養湖への移行、富栄養湖にあっては、水の富栄養化の促進をもたらし、水質汚濁が進行している。
 したがって汚濁水の流入や、ごみの投棄等を防止することにより、観光、漁業、上水道等の各種用途に供される湖沼の水質保全を図る必要がある。
 とくに、湖沼はわが国の観光資源として重要であることにかんがみ、工業排水および家庭排水のほか、温泉旅館、レストラン等沿岸に立地するレクリエーション施設からの排水の水質規制が肝要である。
 ちなみに、貧栄養湖から富栄養湖への移行が問題となっている湖沼としては、琵琶湖(南湖)等、富栄養湖の湖水の富栄養化の促進が問題となっている湖沼としては、諏訪湖、印旛沼、手賀沼等が挙げられる。
 (注)(1) 「貧栄養湖」とは、湖水中の窒素化合物および燐酸塩等の濃度が小さく、かつ、その循環が遅く、生物生産が小さく、また、水色は一般的に美しい青藍色で透明度は大きい湖をいう。
(2) 「富栄養湖」とは、貧栄養湖とは反対の性格を有し、湖水中の窒素化合物および燐酸塩等の栄養塩類の濃度が大きく、かつ、その循環が早く、生物生産が大きく、また、水色は一般的に黄緑色で透明度は小さい湖をいう。

前のページ 次のページ