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第2節 

2 都市内の河川以外の河川

 都市内の河川以外の一般の河川の水質汚濁の状況は、近年における産業活動の活発化に伴い、全般的に汚濁が進んできているといえる。しかし、都市内の河川のような水質汚濁問題が生じてきているのは、そのうちの一部である。
 これらの一般の河川における水質汚濁の特徴は、汚濁源が都市内の河川の場合ほど多岐多様ではないうえに、その数も比較的少ないこと、汚濁による被害が都市内の河川は都市環境が主たるものであるのに対し、上水道、水産業、農業、工業用水等の利水に係ることなどである。このため、これら一般の河川の水質保全のためには、特定汚濁源からの排水の水質規制が重要である。
 なお、このほか、水質汚濁の防止のため、土地利用の適正化、下水道の整備等も合わせて実施することが必要である。
 ちなみに、ここ数年における被害水域を汚濁源の種類別に挙げると、次のとおりである。
ア パルプ、製紙等の工場排水
 釧路川、○石狩川、○大竹・岩国地先海域、佐伯湾等
イ 石油精製、石油化学、化学工業等の工場排水
 ○四日市・鈴鹿地先海域、海南地先海域、水島地先海域、○五ヶ瀬川河口海域、○大牟田河口海域等
ウ でん粉、製糖等の工場排水
 ○ 常呂川、○十勝川、網走川、大淀川、志布志湾等
エ 皮革製造等の工場排水
 揖保川、○神崎川、○和歌川等
オ 水産加工の工場排水
 新井田川、盛川河口海域、気仙沼湾、松島湾等
カ 染色整備、蒸留酒製造等の工場排水
 日光川、○桂川、○加古川、○狩野川、三田尻湾等
キ 鉱山排水
 ○ 渡良瀬川、坪川、迫川、米代川、○石狩川、遠賀川等
 (注)○印は、水質保全法の指定水域

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