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第6節 

4 通商産業省

 大型プロジェクトによる脱硫技術の開発のうち、排煙脱硫技術については活性炭法および活性マンガン法を研究開発中であつたが、後者は昭和43年度で終了し、前者についても44年9月までに研究開発を終了して実装置の設計に必要な基礎データを得ることとしている。
 なお、研究開発計画の終了後においても、装置の実用化のためには若干の追加研究が必要であると思われるが、この点については電力等関連業界がパイロットプラントを借り受けて、実設計に必要な詳細なデータをうべく研究を行なうことが予定されている。
 重油脱硫技術は、これまでに水素化脱硫に必要な触媒の研究開発を行なつてきたが、44年度においては、さらに触媒の実用性の研究を進めるとともに、500バーレル/日のテストプラントを設計、製作し、46年中ごろまでに約1年間の運転研究を行ない、直接脱硫のエンジニアリングについて研究開発を行なうこととしている。
 特別研究費等による公害防止技術の開発では、大気汚染防止技術として風洞試験による工場ばい煙の拡散研究、ばい煙、いおう酸化物の測定方法の研究を進めることにしている。また、自動車排出ガスの清浄化を図るために、自動車排出ガス測定方法、触媒式浄化装置、燃料噴射装置に関する研究を進めるとともに、スモッグチャンバーにより大気中における自動車排出ガスの光化学的変化の究明を行なうこととしている。さらに無排気自動車の開発を目ざし燃料電池の研究を行なう。
 水質汚濁防止技術としては、工場からの産業排水による汚濁を防止するために、産業排水の計測管理技術、海上流出油処理技術、微生物による各種産業排水処理技術、活性炭、オゾン、起泡剤、凝集剤等による物理化学処理技術、さらに工場排水の河海における拡散に関する研究を進めることにしている。44年度は、特にイタイイタイ病、水俣病の原因である重金属含有排水およびパルプ排水の処理技術を新たに取り上げ、その研究開発を行なう。
 通商産業省における44年度の産業公害防止技術に関する予算額は、第5表のとおりである。

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