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第6節 

3 農林省

 農林水産業の公害に関する試験研究については、昭和43年度から特別研究として「農林水産生物の生育環境保全に関する研究」を取り上げ関係試験研究機関、大学の協力の下に組織的総合研究を実施しているが、44年度は本研究をいつそう拡充強化(44年度予算額39,057千円)することとし、(1)大気汚染に関する研究については、大気汚染による農林作物被害測定方法を確立することを目標に、いおう酸化物、弗化水素ガスなどの農林作物に対する影響の解明、被害作物の分析法、感受性指標植物の探索等について検討を進める。(2)水質汚濁が農作物に及ぼす影響に関する研究については、汚濁水中の亜鉛、クロームその他重金属元素および窒素化合物が農作物に及ぼす影響を解析する。(3)水質汚濁が水産生物に及ぼす影響に関する研究については、汚濁物質が水産生物の生物相に及ぼす影響および生物体内における汚濁物質の蓄積作用を解明するとともに、水質汚濁の指標生物、汚濁水域の分布機構について明らかにする。(4)家畜ふん尿の処理利用に関する研究については、当面、豚のふん尿処理に重点を置き、浄化性能向上のための基礎的研究のほか、悪臭防止、肥料その他への利用法の研究を行なうとともに、すでに開発されつつある浄化法の実用規模における処理効果について調査実験を行なう。
 なお、都道府県試験研究機関の行なう公害に関する試験研究については総合的助成事業により、また大学等の行なう試験研究については農林水産業特別研究費補助金により助成を行ない研究を推進する。

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