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第1節 

3 苦情、陳情の処理状況

 昭和42年度において地方公共団体が受理した苦情・陳情の件数は、2万7,588件で、41年度に比べ7,086件、35%の増加である(第3-8-2表および第3-8-3表参照)。件数の減少した項目はなく、すべてについて増加しているが、特に目だつものは、騒音41%、水質汚濁37%、悪臭45%である。
 これらの苦情・陳情に対する処理状況は、41年度が76.5%であったのに対し、42年度は69.1%と下っている。この原因としては、公害現象が複雑、多岐になってきていること、また、住民の公害に対する意識が向上してきたことなどがあげられる。
 苦情・陳情の持ち込み先は、都道府県6,952件(25.2%)、指定市4,611件(16.7%)、その他の市町村1万6,025件(58.1%)で、指定市をあわせた全市町村に対して2万636件、全件数の74.8%が持ち込まれている。41年度においては、2万502件中、59.6%に当たる1万2,207件が、市町村に持ち込まれていたのに対して、42年度においては、市町村の比重が大幅に上昇したことを示している。都道府県に比べれば、市町村の方が住民にとって身近な行政庁であることがその理由の第1にあげられるが、逆にこのことから、これらの苦情・陳情の内容が公害とはいえない相隣関係的な事件がかなりの件数を占めていることも推測できる。
 こうした苦情・陳情、さらには公害紛争の処理体制として、前記のとおり、市町村は苦情等の第1次受理機関の役割を果たし、その処理に当たっているが、複雑な事案については、都道府県と協議したり、または移送するという方法が多く採られる。

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