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第4節 

2 四日市ぜん息等の発生

 戦後、ぜん息など大気汚染と関係ある呼吸器疾患に地名を冠して呼ばれることが各地で行なわれている。
 そのはしりは、いわゆる横浜ぜん息"である。これは主として横浜に駐留していた米軍関係者にみられたもので毎年秋から冬にかけて夜中に起こる呼吸困難の発作を主症状にするものであつた。その原因は、工場地帯のスモッグと関係があり、彼らが帰国すると自然に症状が消失したといわれる。
 最近では、"四日市ぜん息"が各方面から注目されている。三重県四日市市で最もいおう酸化物濃度が高いのは、同市磯図地区であるが、コンビナートの操業活動等が本格化した昭和34〜35年ごろから強いぜん息発作をもつ患者の発生がみられるようになり、次第に周辺地区にも同様の訴えをもつ患者が出てきた。
 四日市市では40年2月、四日市市公害関係医療審査議会を発足させ、43年8月末現在の認定患者は387名に達している。病名別、年齢別認定患者数を第2-1-28表に示す。

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