環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成30年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策>第3章 循環型社会の形成>第1節 持続可能な社会づくりとの統合的取組

第3章 循環型社会の形成

第1節 持続可能な社会づくりとの統合的取組

持続可能な開発目標(SDGs)やG7富山物質循環フレームワークに基づき、化学物質や廃棄物について、ライフサイクルを通じて適正に管理することで大気、水、土壌等の保全や環境の再生に努めるとともに、環境保全を前提とした循環型社会の形成を推進すべく、資源効率性・3Rと気候変動、有害物質、自然環境保全等の課題に関する政策を包括的に統合し、促進します。

リサイクルに加えて2Rを促進することで資源効率性の向上と低炭素化の同時達成を図ることや、地域特性等に応じて廃棄物処理施設を地域のエネルギーセンターや防災拠点として位置付けることにより、資源循環と低炭素化や国土の強靱化との同時達成を図ることなど、環境・経済・社会課題の統合的解決に向けて、循環型社会形成を推進します。このため、一般廃棄物処理に関しては、循環型社会形成の推進に加え、災害時における廃棄物処理システムの強靱化、地球温暖化対策の強化という観点から、循環型社会形成推進交付金等により、市町村等が行う一般廃棄物処理施設の整備等に対する支援を実施します。また、廃棄物処理システム全体の低炭素化を図るため、「廃棄物焼却施設の余熱等を利用した地域低炭素化モデル事業」による廃棄物焼却施設から排出される余熱等の地域での利活用推進、「廃棄物発電電力を有効利用した収集運搬低炭素化モデル事業」による収集運搬の低炭素化推進等を実施します。さらに、中小規模の廃棄物処理施設における廃棄物エネルギーの有効利用を促進するために、「中小廃棄物処理施設における先導的廃棄物処理システム化等評価・検証事業」を実施し、先導的廃棄物処理システム化等について導入コストの低減やCO2排出量削減に関する評価検証を行います。加えて、「廃棄物エネルギー利用高度化マニュアル」や2017年度に策定した「廃棄物系バイオマスの利活用導入促進マニュアル」等の各種マニュアルについて広く周知し、市町村等における積極的な取組を促進します。さらに、気候変動が廃棄物・リサイクル分野に与える影響を適正処理、3R、災害対策等の観点から分析するとともに、廃棄物・リサイクル分野における予防的かつ効果的な適応策の検討を行います。

環境・経済・社会課題の統合的な取組を進めるため、国民、NGO、大学、事業者、地方公共団体、政府など、主体間の連携を更に進めるとともに、各主体の取組をフォローアップし、推進します。