環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成28年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第3章>第3節 東日本大震災への対応

第3節 東日本大震災への対応

1 災害廃棄物の処理

 東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法(平成23年法律第99号)に基づき、災害廃棄物の処理に関する基本的な方針、工程表を定め、被災した自治体の災害廃棄物処理について、きめ細やかな進捗管理をしてきました。平成28年度以降についても、処理の完了していない福島県の一部地域については、きめ細かな進捗管理を継続しつつ、市町と連携し国の代行処理等による支援を通じて、できるだけ早期の処理完了を目指していきます。

2 放射性物質に汚染された廃棄物の処理

 福島県内の汚染廃棄物対策地域では、対策地域内廃棄物処理計画(平成25年12月一部改定)に基づき着実に処理を進めていきます。

 指定廃棄物については、放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針において、指定廃棄物の処理は当該指定廃棄物が発生した都道府県内で行うことととしており、引き続き、各都県ごとに早期の処理に向け取り組んでいきます。

 福島県内の指定廃棄物等のうち、放射能濃度10万ベクレル/kg以下のものについては、既存の管理型処分場であるフクシマエコテッククリーンセンターを活用して埋立処分する計画です(10万ベクレル/kg超の指定廃棄物等については、中間貯蔵施設へ搬入する予定)。平成27年12月に、福島県・富岡町・楢葉町から当該処分場の活用が容認されましたが、引き続き、地元住民の不安や懸念を解消できるよう努めながら取組を進めていきます。

 一方で、放射能濃度が10万ベクレル/kg超の指定廃棄物を搬入する予定の中間貯蔵施設についても、その整備に向けて最大限努力していきます。また、保管が長期化すると、腐敗や臭気等のおそれがある下水汚泥や農林業系廃棄物等については、焼却等の減容化事業を行うことになっています。減容化事業のうち、飯舘村蕨平(わらびだいら)地区においては、平成28年1月に仮設焼却施設運転を開始したところであり、引き続き、早期の処理に向けて取り組みます。また、県中・県南等の24市町村の農林業系廃棄物を集約処理する田村市・川内村における減容化事業については、仮設焼却施設を設置します。福島県内のその他の地域についても、農林業系廃棄物等の処理が滞っているため、集約して減容化を行う施設を整備する方針の下、地元との調整を進めていきます。

 福島県外の指定廃棄物については、一時保管が逼(ひっ)迫している宮城県、栃木県、千葉県、茨城県、群馬県の5県において、各県内で早期に処理するための調整を引き続き丁寧に行っていきます。