環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成26年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第2章>第6節 東日本大震災からの復興・再生に向けた自然共生社会づくりの取組

第6節 東日本大震災からの復興・再生に向けた自然共生社会づくりの取組

1 三陸復興国立公園を核としたグリーン復興

(1)三陸復興国立公園に関する取組

 「三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興のビジョン」(平成24年5月7日、環境省)に基づき、平成25年5月に指定した三陸復興国立公園への南三陸金華山国定公園の編入について検討します。また、みちのく潮風トレイルについて引き続き各地で路線検討を進めるほか、岩手・宮城・福島県内の5つの地域を対象とした復興エコツーリズム推進モデル事業、地震・津波による自然環境への影響の把握と情報発信といったグリーン復興プロジェクトを実施することを通じて、被災地の復興に貢献するとともに、自然と共生した地域の実現を目指します。

(2)公園施設の整備

 三陸復興国立公園の従前からの利用拠点における被災施設の再整備や防災機能強化に加えて、国立公園に編入された地域における利用施設の整備を推進します。

2 東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応

(1)野生動植物への影響のモニタリング

 東京電力福島第一原子力発電所の周辺地域での放射性物質による野生動植物への影響や、人間活動の減少による二次的な影響を把握するため、関係する研究機関とも協力しながら、植物の種子やネズミ等の試料の採取及び分析、動植物相の変化の把握等を進めます。また、関連した調査を行っている他の研究機関や学識経験者とも意見交換を行い、影響の全体把握に努めます。

(2)東日本大震災にかかる被災ペット対応

 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い設定された旧警戒区域のうち帰還困難区域内に取り残された被災ペットについては、引き続き保護活動を実施するとともに、福島県内の動物収容施設で適切に飼養管理を行います。収容されたペットの中には、飼い主への返還や譲渡が進まず、動物収容施設での生活が長期に及んでいるものがいますが、できるだけ早期に家庭の中で安心できる生活を取り戻せるように、福島県等と連携して、飼い主への返還や新しい飼い主への譲渡を促進します。